遊び方
どんなゲーム?
「ジョン(JOHN)」(以下「ジョン」)は、日本の将棋や、ファミコンのシミュレーションRPGに似た、駆け引きを楽しむ戦略トランプゲームです。 4×4マスの小さなマスで、自分の「カード」を動かして、相手のカードと戦います。
勝ち負けを決めるのはカードの強さだけではなく、作戦を考えて、ふせたカードの中身を読み、相手の裏をかく心理戦が重要です。 さらに、トランプ特有の運の要素が絡むことで、毎回異なる展開になります。
1枚のカード、1つのマスが勝負を大きく変える、手に汗にぎる頭脳バトルをぜひ楽しんでください。
ゲームの名前
- ジョン(JOHN)
ジャンル
- 戦略トランプボードゲーム
対象年齢とプレイ人数
- 2人対戦の戦略トランプボードゲームです。
- 小学生から大人まで、だれでも楽しく遊べます。
プレイ時間の目安
- ゲームは、10~30分くらいで終わります。
準備
さあ、ジョンを始める準備をしましょう!
1. 用意するもの
- トランプ:52枚(ジョーカーは使いません。ジョンでは、これをジョンカードと呼びます)
- プレイヤー人数:2人
-
ジョンボード(おすすめ):4×4マスが分かるボードをジョンボードと呼びます。これがあると遊びやすいですが、なくても大丈夫です。マス目がだいたい分かればOKです。マス外に補充カード・変えカード置き場があれば、もっと遊びやすいです。(図1)
図1
2. カードを分けよう!
- ジョーカーを抜いたトランプ52枚を、赤色のカード(ハートとダイヤ)と黒色のカード(スペードとクラブ)に分けます。
- これで、赤26枚、黒26枚の2つの山ができます。プレイヤーはそれぞれ1つずつ自分の山として持ちます。
3. 初期配置(はじめにカードを置こう!)
- 自分の26枚の山から、同じマークのK、Q、Jの3枚を出します。
-
この3枚を、自分の陣地(マスの横半分より手前)の決まった場所に、たて向きに置きます。(図2)
図2
-
このとき、Kだけは横向きに置きます。この横向きのカードを「横カード」と呼びます。(図3)
図3
4. 残りのカードの準備
- 手元に残った23枚のカードをよくシャッフルします。
- シャッフルした23枚を、11枚ずつの2つの束に分けます。
-
残った1枚のカードは、横カードのKの一つ前のマスに置きます。(図4)
図4
5. 補充カードと変えカードを決めよう!
- 11枚の束のうち1つを、「マスの外の手前に、うら向き」に置きます。
これが「補充カード」の山になります。補充カードの中身は、ゲーム中に使うまで見てはいけません。(補充カードは「張りカード」と呼ぶこともあります) -
もう1つの束を、「補充カードの奥に、おもて向き」に置きます。
これが「変えカード」の山になります。ゲームが始まったら、自分の変えカードの中身はいつ見てもOKです。また、ずっと手に持ってプレイしても構いません。 -
これで準備は完了です。
ジャンケンなどで先攻・後攻を決めて、ゲームを始めましょう!(図5)図5
勝利条件
相手の横カードを倒したプレイヤーの勝ちとなります。
ゲームの進め方
ジョンは、将棋のように1手ずつ交代でアクションをします。
アクションは、4つのうち、どれか1つを選んで行います。
- 移動:マス上の自分のカードを動かす。
- 攻撃:マス上の自分のカードで相手のカードを攻撃する。
- 補充:自分の補充カードの山から自分の陣地にカードを張る。
- 特殊能力:特別なカードの能力を使う。
1. 移動(カードを動かそう!)
ルールにそって、マス上の自分のカードを動かせます。
-
数字札(A~10):上下左右に1マス動くことができます。(図6)
図6
-
絵札(J、Q、K):上下左右とななめ方向に1マス動くことができます(将棋の王様と同じ動きです)。(図7)
図7
-
カードの「入れかえ」:自分のカードが動ける場所に、ほかの自分のカードがあるとき、その2枚の場所を入れかえられます。(図8-1~2)
図8-1
図8-2
2枚のうち、どちらか1枚でも絵札なら、ななめにも入れかえられます。(図9-1~2)
図9-1
図9-2
2. 攻撃(相手のカードを倒そう!)
自分のカードが移動できるマスに相手のカードがいるとき、その相手のカードに攻撃できます。
-
カードの「パワー(強さ)」と「HP(体力)」:
ジョンでは、カードの数字がそのまま「パワー」と「HP」になります。
なお、Aは1、Jは11、Qは12、Kは13です。
この数字を「ランク」と呼び、Aが一番弱く、Kが一番強いランクのカードです。 -
攻撃のやり方:
- まず、攻撃する自分のカードと、攻撃される相手のカードの場所を「入れかえ」ます。
-
次に、相手のカードにダメージを与えます。
ダメージは、「相手のカードのHP - 自分のカードのパワー」で計算します。例:相手の♥5(HP5)に、あなたの♠6(パワー6)が攻撃した場合(図10-1~2)、「5-6」となり、相手の♥5のHPは0以下になるので倒されます。(図10-3)
図10-1
図10-2
図10-3
このダメージ計算で、相手のカードのHPが0以下になった場合、そのカードは「倒された」ことになり、相手の変えカードの山に加えます。手番は相手にうつります。
-
ダメージ計算の結果、相手のカードのHPが残った場合は、次の処理を行います。
このとき、相手のカードは「ダメージを受けた」ことになり、相手の変えカードの山に加えます。そして相手は、その山からダメージ計算後のランクのカードを引き出して、同じマスに置きます。カードのマークは何でもOKです。
例:相手の♥6(HP6)のカードに、自分の♠5(パワー5)のカードが攻撃した場合(図11-1~2)、「6-5=1」となり、♥6のカードを相手の変えカードの山に加え(図11-3)、相手はその山からA(HP1)のカードを引き出して同じマスに置きます。(図11-4)
図11-1
図11-2
図11-3
図11-4
もし、変えカードの山にダメージ計算後のランクのカードがない場合は、そのカードが見つかるまで1つずつランクを下げて探し、引き出してください。この時、Aのランクのカードを出したいのに変えカードの山にAがない場合は、そのカードは「倒された」ことになり(図12)、手番は相手にうつります。
図12
-
攻撃を受けても倒されなかった相手カードは反撃します。
攻撃を受けた相手のカードが倒されなかった場合は、相手は必ず「反撃」をしてきます。
反撃のダメージは、「反撃を受けるカードのHP - 反撃するカードがダメージを受ける『前』のパワー」で計算します。
反撃ダメージを受けた自分のカードは自分の変えカードの山に加え(図13)、手番は相手にうつります。「反撃」は手番として数えません。図13
3. 補充(新しいカードをマスに出そう!)
自分の補充カードの山の上から1枚カードをとり、自分の陣地(マスの横半分より手前)にある空いているマスに、おもて向きにして置くことができます。
- 補充カードは全部で11枚です。全部使ったら、それ以上出すことはできません。
- 横向きに置く(横カードとして置く)ことはできません。
4. 特殊能力(特別なカードを使おう!)
ジョンには、シミュレーションRPGのマジシャンやクレリックのように、特別な力を持つカードが2種類あります。
「4」のカード(魔法攻撃)
-
魔法攻撃の範囲:
マスの上にある自分の4のカードは、そのマスから2マス以内の相手のカード1枚に魔法による攻撃を与えることができます。(図14)図14
-
カードのランクを半分にできる:
この魔法攻撃を使うと、4のカードは相手のカードのランクを半分にできます。(図15-1~2)図15-1
図15-2
-
小数点が出たら切り捨てる:
魔法攻撃によって相手のカードのランクを半分にすることで小数点が出たら、切り捨てます(例:Kは6に、9は4に、5は2になります)。 -
魔法攻撃の使い方:
まず、4の魔法攻撃を相手のどのカードに与えるかを言ってください。
相手のカードは「魔法攻撃を受けた」ことになり、相手の変えカードの山に加えます。かわりに半分になったランクのカードを引き出して、同じマスに置きます。相手の変えカードの山に半分になったランクのカードがない場合は、相手はそのカードが見つかるまで1つずつランクを下げて探して、引き出してください。Aのランクのカードを出したいのに変えカードにAがない場合は、そのカードは「倒された」ことになります。カードのマークは何でもOKです。
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大事なルール:
この能力はその場から使えます。普通の攻撃と違い、相手からの反撃はありません。
「A」のカード(回復能力)
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カードのランクを2倍にできる:
自分のAのカードとほかの自分のカードを「入れかえ」するとき、Aのカードは入れかえたカードのランクを2倍に回復することができます。(図16-1~2)図16-1
図16-2
-
回復の上限は「10」まで:
どんなランクでも、回復した後のランクは10が上限です(例:Aは2に、3は6に、7は10になります)。 -
回復のやり方:
ふつうの「入れかえ」移動の後、Aのカードで回復するカードを自分の変えカードの山に加えて、かわりに回復後のランクのカードを引き出して、同じマスに置きます。自分の変えカードの山に回復後のランクのカードがない場合は、そのカードが見つかるまで1つずつランクを下げて探して、引き出してください。カードのマークは何でもOKです。
-
大事なルール:
自分のAカード自体、相手のカード、そして絵札(J、Q、K)のランクは回復できません。
ルールと注意点
横カード
- 横カードは、移動をしても、攻撃や特殊能力を受けてカードのランクが変わっても、ずっと横向きのままでマス内に残ります。
- 横カードが攻撃や特殊攻撃を受けて、絵札から数字札に変わった場合は、数字札と同じ動きになります(ななめには動けません)。
ループ(将棋でいう千日手)
- すべてのマスの状態が、まったく同じ場面を3回くり返したとき、「ループ」という状態になります。
ループの状態になったら、同じ場面をくり返さないために、「補充カード」の多いプレイヤーが、次のターンでちがう手を出してループを終わらせないといけません。
もし補充カードの数が同じ場合は、マスに出ている「カード枚数が多いプレイヤー」が、それも同じなら、マスに出ている「カードランクの合計が多いプレイヤー」がちがう手を出してください(ちがう手を出せなかった場合は、そのプレイヤーの反則負けとなります)。
これらがすべて同じなら、そのゲームは先攻の反則負けとなります。
パスはできない
- 自分のターンでは、必ず何かのアクション(移動、攻撃、補充、特殊能力のどれか)をしないといけません。パスはできません。
よくある質問
「ジョン」って何が面白いの?
- カードの組み合わせ
弱いカードでも、組み合わせしだいで強くなります(たとえば、Aと2を組み合わせて、魔法攻撃できる4のカードを作るなど)。また、特定のカード(例:4)に強いカード(例:8や9)もあるので、いろいろ試して作戦を考えるのも楽しいです。 - まさかの展開
補充カードや変えカードから、思いがけないカードが出てきます。これで、一気に形勢が逆転したり、ピンチを切りぬけたりと、ドキドキの展開が生まれます。 - 深い心理戦
補充カードから新しいカードを出すときのワクワク感や、変えカードの中身を気にしながら作戦を考えるドキドキ、そして相手の手を読み合う楽しさは、ジョンならではの大きな魅力です。
ジョンボードがないと遊べないの?
- いいえ、そんなことはありません!
ジョンはトランプさえあれば、どこでも遊べます。マス目がなくても、4×4マスの場所がだいたい分かれば十分です。最初のカードの置き方は、そのマス目を分かりやすくする目安にもなっています。
Aカードで回復した時に、目的のカードが変えカードになかったらどうなるの?
- ご安心ください!
Aカードで回復するとき、回復するカードを一度自分の変えカードに加えてから、回復後のカードを探します。だから回復後のカードが変えカードにない場合でも、元のランクのカードは変えカードに入っているので、それ以上ランクが下がることはありません。
変えカードからカードを出すときに、本当はあるカードを「ない」と言って、ランクを下げて出すことはできるの?
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実は、ジョンにはこのような“ズル”ができてしまう弱点があります。
変えカードからカードを出すとき、本当はあるカードを「ない」と言って、ランクを下げて出すこともできてしまいます。でも、ジョンはお互いの信用(しんよう)で成り立つゲームです。ズルをしないで正しく遊びましょう。 -
この弱点をなくすための「ダウトルール」というルールもあります!
もし「本当はそのカードがあるのに、ないと言ってランクを下げて出したかも?」と思ったら、「ダウト!」と言って相手の変えカードをすべて見せてもらいましょう。本当にそのカードがなかったらダウトと言われたプレイヤーの負けで、そのカードがあったらダウトと言ったプレイヤーの負けです。この「ダウトルール」を使うことで、さらにスリリングで奥深いゲームになることでしょう。